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日弁連のガイドラインを踏まえた第三者委員会の設置が決まりました。しかしながら、表面上の調査で終わらせなてはならないと思います。〜第三者委員会設置と「議会文化」の根本病理〜
福岡県議会における「正副議長ポストと金銭授受」をめぐる疑惑について、大きな動きがありました。
県議会において、日弁連(日本弁護士連合会)のガイドラインを踏まえた「第三者委員会」の設置方針が決定されました。
これにより、事態は「検証を行うかどうか」という議論の段階から、「どこまで真実に迫り、実効性のある根本改革ができるか」という実行のステージへと移行してきます。
しかし、私はここで強く訴えたいことがあります。
今回の問題を、単なる「特定議員の不祥事」や「正副議長選の金銭授受の有無」といった点のみの調査だけで終わらせてしまえば、本当の意味での議会改革・県政改革には絶対に到達できないと思っているからです。
もし仮に疑惑が真実であるならば、それを生み出し長年にわたり許容してきたのではないかという「議会特有の文化・構造・そして感覚のマヒ(心理構造)」という病理そのものです。
1. 表面的な「個人の摘発」では何も変わらない
今回の事案調査において焦点となる本質は、以下の点に集約されます。
・慣行の有無や実態:金銭授受は単発の出来事だったのか、それとも「不透明な慣行」として長年存在していたのか、それとも事実無根なのか。
・選出プロセスの透明性: 議長・副議長の選出過程は、本来あるべき透明で公正なものだったのか。
・適切な緊張感: 二元代表制として、県議会と県執行部(行政)との間に適切な緊張感が保たれていたのか。
しかし、正副議長の疑惑「だけ」をピンポイントで調べ、誰かを処分して幕引きを図るようなことがあれば、数年も経てばまた形を変えて同じ構造が再発するのではないかと考えます。
必要なのは、対象を一部の役職経験者に限らず、すべての現職県議および元職まで広げた全容解明です。
2.解明すべき「日常の文化」と「キャリアパスの構造」
では、検証すべき「本質的な課題」とはどこにあるのでしょうか。
それは、議会の日常に溶け込んでいる可能性のある「慣行」と「役職のあり方」です。
・正副議長ポストに限らず、キャリアパスとして存在する議会運営委員長、各常任委員会・特別委員会の委員長、各種議員連盟の会長といった役職者たちにおける金銭授受や不透明な慣行の有無はどうだったのか。
・懇親会の負担ルールや、日々のお弁当代の処理といった、一見細かな日常のコスト処理はどうなっていたのか。
こうした「外からは見えない日常の金銭慣行や風習」にまで調査の手を広げなければ、組織全体の構造を紐解くことはできません。
3.「世間の非常識」が「議会の常識」になる恐怖
なぜ、このような構造が長年続いてきたのか。
そこには、長い年月をかけて醸成されてきた「議員意識のミスマッチと心理的マヒ」が存在したからだと感じます。
新人議員が議会に入った際、「こういうものだ」「これが円滑な議会運営のための配慮だ」という風習に揉まれるうちに、次第に疑問を抱く感覚そのものが消耗していく。外から見れば明らかに「異様で非常識なこと」が、閉鎖的な空間の内部では「当たり前の常識」としてすり替わっていく。いわば組織的な心理の調教・マヒ状態が起きていたのではないかと考えます。
この根底にある異質な文化を打ち破らない限り、どれほど立派なルールを作っても骨抜きにされてしまいます。
4. 第三者委員会設置は「ゴール」ではなく「スタート」
第三者委員会の設置が決まったことは、改革のゴールではありません。
真の信頼回復に向けた、ほんのスタートラインに立ったに過ぎません。
第三者委員会には、単なる金銭授受の有無にとどまらず、なぜその文化が醸成され、議員一人ひとりの心理にどう作用してきたのかという「構造そのもの」を骨太に解明してもらうことを強く望みます。
「政治家の常識」を「世間の常識」へと引き戻す。
議会が真の自浄作用を取り戻し、県民に胸を張れる県政改革・議会改革を成し遂げるまで、私はこれからも妥協することなく、この構造的課題に向き合い、発信し続けてまいります。
2026.8.8 |